REIT
「五年国債」を基準に配当利回りを判断
複数の不動産に投資し、不動産から得られた賃料をおもな収益源とするのが、「REIT」(上場不動産投資信託)だ。株式市場に上場しており、普通の株式と同じように、リアルタイムで売買できる。
現在、日本には四一本のREITが上場しており、東証REIT指数は昨年から今年にかけて大幅に上昇。昨年一月から今年五月には六割もの値上がりを示していた。
懸念材料として多く挙げられているのが、利上げによる業績の悪化だ。REITでは投資家からの資金に加え、金融機関からの借り入れによって不動産を取得するため、金利が上昇すれば債務負担が増え業績が悪化する、といわれる。
しかし運用するのはプロであり、金利上昇前に借り入れを長期固定にシフトすることで金利上昇による影響を抑える対策がとられるのは当然のことだ。
またREITには収益の九〇%超を配当に回すことで法人税が課せられないというメリットがあり、値上がり益を狙うより、配当狙いに向く投資商品といえる。
株価の上昇によって配当利回りはひと頃より下がっているものの、現状でも三%前後(銘柄によって異なる)で、高配当株とされる電力株などに比べても魅力のある水準といえる。
世界的に金余りの状況にある今、金利の大幅上昇は考えにくく、長期国債や預金金利に比べてREITの配当利回りが見劣りする可能性は低いだろう。もしREITの配当利回りが五年国債を下回るような水準になれば、価格変動リスクのあるREITより、償還時には額面金額が戻る五年国債に軍配が上がる。
最近は株式や債券、REITに分散投資する「バランス型投信」の人気が高まっており、一兆円規模のある投信一本だけでも、REITの時価総額の五%程度を占める額を組み入れている。バランス型投信の人気が当面、REITへの資金流入を下支えする状況が続くだろう。
このようなことから、昨年来で急激に上昇した反動で目先の調整は避けられないものの、大幅な下落は考えにくい。
REITは保有する不動産によってオフィス系、住居系、商業系、その他に分けられ、今なら、賃料の下げが考えにくい首都圏のオフィス系銘柄に注目したい。多くの銘柄は年二回決算となっており、配当の権利確定日を過ぎ、株価(基準価額)が一時的に大きく下がったタイミングを狙うのもいいだろう。
少額で投資したい人には、複数のREITに投資する「REIT型ファンド」という選択肢もある。お勧めは海外のREITに分散投資するタイプで、毎月分配型ではなく、決算が年一〜二回のもの。これで複利効果を狙いたい。
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