未公開株
「上場前の有力ベンチャーに出資し、上場後に値上がり益を獲得」——未公開株取引は、株で一攫千金を狙える唯一の手段ともいえるかもしれない。
しかし、「未公開株を買う」ことは、「卵を何個産むかわからないニワトリを、ヒヨコの段階で買い付ける」ようなもの。市場で一定の価値が定まっている企業と違い、チャンスがある分、リスクも大きい。卵を産むどころか、ニワトリになる(上場する)前に、死に至る(倒産する)可能性も。人間の欲につけこんだ未公開株詐欺事件も頻発している。
リスクが大きいことを踏まえたうえで、個人が未公開株を購入するにはどんな方法があるのか、整理してみよう。
一つは、自分のネットワークで上場しそうな企業を探し、出資。これは確実な方法だが、ハードルが高い。そこで、一連の作業を代行している企業、つまりベンチャーキャピタル(VC)に出資するのが現実的な手段となる。
VCに出資する方法は二つある。一つは、上場しているVC本体の株を買う。ただし、現在、多くの上場VCは、企業規模が拡大し、投資パフォーマンスはそれほどよくない。正直なところ、投資のうまみはあまりないと見る。
もう一つはVCが運営するファンドに出資する方法だ。証券会社や直接VCを通して、個人投資家もVCファンドに出資できる。複数あるファンドのなかで、成績のいいファンドを見極める目が必要となるが、比較的少額の資金で未公開企業に投資でき、大きなリターンを得られる可能性もある。
最後の方法が、グリーンシートを通じて購入する。グリーンシートとは未上場会社の株式を売買できる制度で、1997年よりスタートした。いくつかの証券会社でグリーンシート銘柄を扱っている。
ベンチャー企業の資金調達を円滑にする目的もあり、グリーンシートから上場を果たした勝ち組企業も存在する。しかしそれ以上に、事業停止などさまざまな理由で登録が廃止となる企業も多い。売買実績はかなり少なく(流動性が低い)、売りたいと思ったときに売れないことも。現実的に機能しているとはいえない。
よって、先の「VCファンドヘ出資する」のがもっとも妥当な選択肢となる。では、いいVCファンドを見分けるにはどうしたらいいのか。それには、過去の実績で判断するしかない。
ファンドそのものの成績(年率のリターン)を一定期間見られれば一番いいが、設立されたばかりのファンドでは難しい。その場合は、ファンドマネジャーの実績を見る。過去に属していた組織にまでさかのぼり、手がけた案件、それぞれの年率リターンを公開してもらう。逆にいえば、そうした情報公開ができていないファンドには、近寄らないほうがいい。
現在、投資事業組合など、いわゆる投資ファンドの設立が増加している。これは、ライブドア事件の負の功績ともいえるかもしれない。規模に関係なく、意欲的なファンドもある。が、制度を悪用した、グレーな組合やファンドもあるため、注意が必要だ。
未公開株詐欺の被害も後を絶たない。富裕層やベンチャー経営者のネットワークを持っている人ならいざ知らず、一般の個人投資家に、うまい儲け話が突然転がりこんでくるようなことはまずない。
「上場間近の企業に投資しないか」といった電話勧誘に乗らないのはもちろんのこと、未公開株取引には通常の株式投資より大きなリスクがつきまとうことを最低限理解してほしい。
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