変額個人年金

あと数年後には確実に訪れるであろう超高齢化社会への備えとして、今、「変額年金」が注目されています。日本で初めて売り出されたのが約3年前。当初はほとんど認知度のない商品でしたが、従来の個人年金の予定利率が過去最低の水準にまで下がっていく中で、証券会社などを通じて急激に売上が伸びています。


商品の内容は、将来受け取る年金額が、特別勘定(ファンド)の運用実績に応じて変動する個人年金保険ですが、中身は投資信託です。従来の定額個人年金は、将来受け取る年金額があらかじめ決まっています。でも、実際にお金を受け取る「将来」において、お金の「価値」はどうなっているでしょうか? もしかしたら、その間に起こるかもしれない「インフレ」によって、その価値は変わってしまうかも知れません。お金の価値が変わったとしても「年金額は変わらない」ということは、実質目減りしてしまうことを意味します。

一部の商品を除いて元本は保証されていませんが、インフレに強い株式などを上手に取り入れていくことによって、将来の資産を守り、かつ保険の機能を上手に利用することもできる魅力のある商品です。

しくみ
保険会社が設定した複数の特別勘定(ファンド)を契約者が選択して運用し、積立期間終了後年金として受け取ります。一時金で受け取ることもできます。積立期間中に死亡した場合には、積立金が死亡保険金として支払われますが、運用が悪く、積立金が払込金額より減っていたとしても、払込金額が基本保険金額として最低保証されます。会社によっては、この最低保証額が増加していく機能がついているものもあります。

契約後、選択した特別勘定(ファンド)は、自由に変更(スイッチング)でき、一定回数までは手数料も税金もかかりません。保険料の払込方法は、一時払いがほとんどですが、月払い、半年払い、年払いができる会社もあります。一時金を入れた後、毎月、月払いのように一定額を規則的に支払い、積立金を増額していくこともできます。これは、毎月一時払いの契約を自動的に繰り返していくことになります。

メリット
契約者の支払った保険料は全額特別勘定に投入され、運用されます。控除される手数料はありますが、明確です。積立期間中の運用益は、受取時まで課税されません(課税繰り延べ効果が期待できます)。年金開始時期は、積立金の状況により変更することができます。

少額の資金で、株式や債券、短期金融資産などに分散が可能で、また、日本だけでなく海外のファンドを選択することによって手軽に国際分散投資もできます。終身年金を選択することによって、平均より長生きした場合、結果として積立金以上のものが受け取れます(年金の原資が枯渇しないということです)。


デメリット
基本保険金額として死亡保険金額は最低保証されていますが、将来受け取る年金額に最低保証はありません(最低保証をしている会社もあります)。運用が良くても悪くても、積立金の中から運用関係費用と保険関係費用が引かれます。また、決められた積立期間(7年から10年)以前の解約については、積み立てた年数に応じた解約控除がかかります。


税金
個人年金保険なので、生命保険料控除が使えます。ただし、一時払いの場合は保険料を支払った年一回限りです。また、積立期間中の解約、および年金受取開始時に一時金で受け取った場合は一時所得扱い、年金として受け取った場合は毎年雑所得がかかります。積立期間中に死亡した場合、遺族が受け取る積立金は死亡保険金としての扱いになるため、保険金の非課税枠(500万円×法定相続人数)が使え、相続財産から控除することができます。

▽ドルコスト平均法の活用
「ドルコスト平均法」とは、一定の周期、ていくので、価格が高いときには少なく、価格が低い時には多く買い付けることができます。その結果、買い付け平均単価を下げる効果があるのですが、株式などの変動性のあるものに対して、また下がり相場においてより有効に働いてくれます。ほとんどの変額年金は一時払いの商品ですが、一時払い後、規則的に増額していくことにより、また、ファンド間の自動スイッチング機能を利用することにより、この「ドルコスト平均法」が可能になります。

▽リバランス機能の活用
複数のファンドに分散したとしても、価格が変動することによりその分散割合は崩れていきますが、その割合を一定期問ごとに元の割合に戻す機能です。つまり、価格が上がったものを売って、価格が下がっているものを買い付けていく手法で、これは運用の基本でもあります。

▽相続対策として活用
「契約者を被相続人、被保険者を相続人」とすることで、積立期間中の契約者死亡後は契約自体が相続財産となり、その評価額は「生命保険契約の権利の評価」となります。一時払いの契約では、どんなに積立金が増えていても「一時払い金額」がその評価額となります。また、年金受取開始後の契約者死亡においては、被保険者は生存しているので契約は継続し、年金受取人を変更することで相続人が引き続き年金を受け取ることができます(年金リレープラン)。その時の、相続財産としての評価は「年金受給権の評価」となり、相続財産をかなり圧縮することができます。

▽高齢者の資産運用
高齢者者はどちらかというと、リスクのない商品での運用に偏りがちになる傾向があるのですが、平均寿命の延びやインフレなどを考慮すると、これからは高齢者でもある程度の積極運用をしなければ、資産の目減りから免れることはできません。しかし、株式や投資信託で運用し失敗しても、若い人のようにそれを取り返す時間がないのも事実ですし、結果として減った資産が相続財産となってしまう可能性があります。

 ところが「変額年金」は保険商品なので死亡保険金がついているため、運用が悪くて積立金が減っていたとしても、投入した金額は減ることなく遺族に相続されます,

近況
現在、外資系を中心に15の生命保険会社で販売されていますが、最近の傾向として、保険会社が証券会社と提携をして販売するケースが多くみられます。また、2002年秋からは銀行の窓口でも販売される予定です。

どの商品についても言えることですが、大事なのは、商品内容をよく理解して、その使い方を間違えないことです。「年金」という言葉から、高齢にならないと受け取れないのではというイメージが浮かびますが、解約控除期間を過ぎればいつでもペナルティーなしで換金できますし、終身年金も40歳から開始できる会社もあります。使い方次第では、かなり活用できる商品ではないでしょうか。

◎老後資金準備の二ーズに対応
◎インフレに対応できる
◎年金額に最低保証なし


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